キェ―――
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目指せポール牧
風は秋色
風は秋色
「理由は無い」に帰着するとすると、
騙すかどうか、それだけが鍵になる。
引き続き鉄の森にて迷子。
今、確かめる、溜息の温かさを。
横断歩道越しに1日を見送る。
街明かりに誘われて闇を閉じた。
一筋に縋りついた思いを思う。
捧げた時間は祈りを紡いだ。
意思と事典と感察が三つ巴。
君の洞察力は円熟を迎えたね。
頭の隅の隅では嘘が見える。
運命を取り返そうとするも空しい。
マンモスプリンを前にして真剣を放り投げた。
手のひらの中、転がるはこの嘘っぽい言葉。
否定には否定を重ね続け祈る。
騙すかどうか、それだけが鍵になる。
引き続き鉄の森にて迷子。
今、確かめる、溜息の温かさを。
横断歩道越しに1日を見送る。
街明かりに誘われて闇を閉じた。
一筋に縋りついた思いを思う。
捧げた時間は祈りを紡いだ。
意思と事典と感察が三つ巴。
君の洞察力は円熟を迎えたね。
頭の隅の隅では嘘が見える。
運命を取り返そうとするも空しい。
マンモスプリンを前にして真剣を放り投げた。
手のひらの中、転がるはこの嘘っぽい言葉。
否定には否定を重ね続け祈る。
[イルカとクジラ]
・イルカの仲間は約70種である。
そのうち、ウォッチングする機会があるイルカは16種である。
・イルカもクジラも「クジラ目」に属する哺乳類の仲間である。
・クジラ目はさらに、口腔にくじらひげを持つ「ヒゲクジラ亜目」と、歯のある「ハクジラ亜目」に大別される。
・一般的に、ヒゲクジラおよびハクジラのうち大型種を「クジラ」と呼ぶ。
ハクジラのうち、比較的小型の種類を「イルカ」と呼ぶ。
つまり、イルカは小型ハクジラ類の総称である。
・大型と小型の判断は体長4m程度を境とするのが普通であるが、根拠はない。
[海と陸]
・水中の音は空気中とは比べ物にならないくらい鋭敏な特性を持つ。
空気中の音速は約340m/sなのに対して、水中の音速は約1500m/sと、約5倍の速さで伝わる。
また、水中では音の減衰も少ないため、かなり遠くまで音が届く。
水中は音の世界である。水中では「一見」よりも「百聞」の方が勝っている。
・海や河は透明度が悪く、当然、視覚による情報取得も制限される。
・海洋生物が視覚よりも聴覚を発達させるのは、環境から見ても当然である。
[可聴域]
・以下のように、他の動物と比較して、イルカやクジラの聴力は非常に優れている。
・ヒト:15-20kHz
・サル:33kHz
・ネコ:50kHz
・ハツカネズミ:90kHz
・クジラ:153kHz
・コウモリ:175kH
・イルカ:200kHz
・可聴域の範囲の音でも、聞き取りやすい高さの音がある。
ヒトの話し声は、0.06-1kHzである。
それに対して、イルカは30-80kHzの帯域の感度が良いとされている。
[音源定位]
・イルカの音源定位能力は優れており、水平方向は2.7度、垂直方向は2.3度まで識別できるとされている。
これがクリックのようなパルス音の場合だと、さらに1.0度程度まで精度が上がる。
・陸棲動物では、草食動物よりも肉食動物が優れている傾向がある。
イルカは他の動物よりも音源定位能力が優秀である。
・ちなみに、ヒトもなかなか秀でており、約1.3度である。
[エコーロケーション]
・クジラやイルカの発する音は、次の3つに大別される。
・クリック(click):0.001-0.01秒と非常に短い継続音。周波数帯は15-200kHzと幅広い。エコーロケーション用。
・ホイッスル(whistle):口笛に似た抑揚のある長い連続音。会話用。
・バーク(bark):吼えるような、呻くような、複雑な共鳴音。本能的なもの。脅しや求愛用。
・イルカのエコーロケーションはソナーと同じ役割をする能力である。
対象物までの距離、対象物の形、大きさ、材質の違い、構造の違いといった物理的特性や、運動速度や方向も認識することができる。
・イルカは状況に応じて発する音の性質や出し方を調整している。
遠くにあるものや雑音の多い環境での探索では音圧を上げたり、近いものの探索では発射音の頻度を調節する必要がある。
・実験では、70m離れた距離から直径2.5cmの金属球の有無を認識したり、100m先にある7.6cmの金属球を正しく認識できた。
また、8mの距離で0.0085mmの違いを認識したという驚異的な記録もある。
・クリック音の発生場所は鼻道にある気嚢(きのう)という説が主流である。
喉頭部とする説もある。
気嚢説とは、鼻道の途中にあるいくつかの空気の袋に空気を出し入れする際にクリックが発生するというものである。
・気嚢から発せられて後方に向かった音は、頭骨によってパラボラアンテナのように前方へ反射される。
前方に向かった音と反射音は、頭部前部にある「メロン」と呼ばれる脂肪組織に入る。
メロンは特異的な構造になっていて、ここに入った音は前方に集中するように脂肪の密度が変化している。
ちょうど、音のレンズとも言うべき組織である。
・反射音は、下顎の脂肪組織に入る。
この脂肪組織はメロンと同様、音の伝搬特性がきわめて優れている。
ここに入った音はそのまま鼓膜を振動させ、中耳、内耳へと伝わる。
[耳の構造]
・イルカの内耳の構造は基本的にヒトと類似しているため、音が感覚される仕組みも共通である。
ただ、ヒトと違って中耳と内耳がいずれも頭骨から分離独立しているため、自分の発した音が直接中耳や内耳へ達することはない。
これは大変好都合で、余計な振動が伝わらず、精度の良い音感が保たれる。
・外耳道は入り口から分厚い皮脂と肉で1/3は塞がっているが、完全に詰まってる訳ではない。
塞がっている部分の管の直径は、1-5mmと非常に狭い。
しかし、内耳に近づくにつれて太くなり、鼓膜の所で5cmほどの管となる。
・外耳道の終点の鼓膜の外側には、蠟栓(ろうせん)と呼ばれる円錐形の耳あかが付着している。
これは外耳道の表皮から分泌された物質が角質状に固まったもので、牛の角や人間の爪に似ている。
シロナガスクジラの耳あかは、幅が4cm、長さが10cmにもなる。
この耳あかが優れた音の伝導体になっている。
・外耳道の長さは、大型のクジラで1mある。
[視覚]
・ヒトは「視覚の動物」と言われる。
そもそも、光は電磁波であり、その中でも波長380-780nmの帯域を可視光として見て感じることができる。
言い換えると、私たちの視覚は光のわずかの波長の違いを色として感じているにすぎない。
・「可視光」はあくまでヒトが感じることができる範囲の波長帯域を指す。
ヒトは「紫外線」や「赤外線」を感じることはできないが、他の動物は感じることができるものもいる。
例えば、ヘビの仲間は紫外線を感知できるし、チョウは赤外線が見える。
・イルカに限らず、眼の基本的な構造は脊椎動物ではほぼ共通である。
ヒトの眼にある構造はイルカの眼にもある。
しかし、構成物それぞれの大きさ、数、厚さといった定量的な特徴に微妙な差異がある。
・角膜の密度は水とほとんど同じなので、水中では角膜は無いに等しい存在となる。
・ヒトの瞳孔は円形だが、クジラ類では三日月状をしているものが多い。
ヒトと同じく、瞳孔は周囲の明るさに応じて大きさを変えるが、イルカの瞳孔は前後2本の細い線に分離される。
・イルカの網膜上の視細胞は、錐体細胞と比較して桿体細胞が圧倒的に多い。
そのため、暗い所で見るのに適している反面、色覚が弱い可能性を示す。
・イルカの視細胞の分布は不思議である。
ヒトでは、眼底の1ヵ所に細胞が集中しているが、イルカは高密度の領域が2ヵ所ある。
高密度の領域は眼底を挟んで約60度前後離れた場所に位置している。
イルカたちは、前方と斜め後方の2方向が「同時に」よく見えている。
・行動実験から、イルカの視力は約0.1であると推定される。
・イルカの聴覚は素晴らしく、ヒトがはるかに及ばないことは事実である。
しかし、イルカの聴覚を崇拝するあまり、「イルカの視覚は劣っている」と思い込むのは大きな誤りである。
[視覚と聴覚]
・クリックの発射頻度は一定ではなく、全くクリックを出していない時間帯もある。
つまり、常にエコーロケーションをして周囲を探査している訳ではない。
音一辺倒という訳でなく、「見たり聞いたり」しているということである。
「見えること」と「聞こえること」には一定の関係がある。
・最良視野範囲と音源定位範囲には直線的な相関関係がある。
すなわち、一点集中的な視野を持つ動物はわずかな距離の音源まで識別できる傾向がある。
対して視野が広い動物は音源定位能力が悪い。
・イルカは他の動物と比較して傾向が顕著に異なり、最良視野範囲は広く、音源定位能力も高いという異常値を示す。
これは、水中における光環境と音環境の特性の差を反映している可能性がある。
・ヒトは一点集中型の視覚を持ち、音源定位能力も鋭い。
・眼で見たものとエコーロケーションで感じたものとは、果たして同じようにイメージされているのだろうか?
ハワイ大学のLMハーマン博士が視覚と聴覚の統合の実験をした結果、視覚と聴覚はきちんと統合されていると結論づけた。
[コミュニケーション]
・何百頭という群れを作って泳ぐイルカは、それぞれの個体を識別可能な固有の音波信号のパターンを持つ。
・しかし、音波信号によるコミュニケーション・システムは、高度に発達した段階にはないという説が有力である。
その根拠となっているのは「意思の欠落」である。
イルカは自分とその環境についての情報を発信するが、その中に意思は含まれない。
したがって、仲間同士の「対話」はない。
・また、意思の他に2次情報を発信する能力も欠けている。
「誰が」「どこで」「何を」という情報は発信できるが、「いつ」「どのようにして」「なぜ」という情報は発信できない。
仮に、これらが可能になると、「個体識別音」から「イルカ語」に格上げになる訳である。
[Tips]
・海の生物はみんなおしゃべりである。
一番のおしゃべりと思われるのが、シロイルカである。
イギリスではシロイルカを「海のカナリア」と呼び、ソ連ではうるさい人を「シロイルカのような人」と呼ぶ。
・ザトウクジラのオスは、繁殖期に「ソング」と呼ばれる音波信号を発する。
「ユニット」と呼ばれるそれぞれの音が繰り返されて「フレーズ」を構成する。
さらにそれらが「テーマ」としてまとめられ、規則性を持って繰り返されるため「ソング」と呼ばれる。
ソングは、オスがメスに向けて発する説と、ライバルのオスに向けて自分の優位を誇示する説がある。
・眼に論理はあまりない。百聞は一見にしかずである。見ればわかる。これは論理ではない。明証である。
ところが、耳は時間を追う。聴覚は論理的思考に近い。
・アリストテレスは、クジラとイルカの行動と体を本格的に研究した最初の人物である。
彼の研究記録には不正確な部分もあるが、こと解剖と生理に関する記述はほとんど正確である。
そのため、アリストテレスはクジラやイルカを自らの手で解体して調査した可能性が高い。
・クジラやイルカが声を出すことが分かったのは、第二次世界大戦中のことである。
当時、アメリカは長い海岸線を敵の潜水艦攻撃から守るために、水中測音装置を設置して警戒にあたった。
ところが、あらゆる箇所から不審音をキャッチしたとの報告があり、大型海洋生物の通信と推定した。
以降、アメリカ海軍はイルカに興味を抱き、イルカを「海の軍用犬」として使う可能性を研究し続けている。
[参考]
「日本人のクジラ学」, 梅崎義人, 1988.
「クジラ 海を泳ぐ頭脳」, 1994.
「イルカ・ウォッチング」, 中村康夫, 1995.
「イルカが知りたい」, 村山司, 2003.
「クジラ&イルカ 生態ビジュアル図鑑」, 水口博也, 2013.
・イルカの仲間は約70種である。
そのうち、ウォッチングする機会があるイルカは16種である。
・イルカもクジラも「クジラ目」に属する哺乳類の仲間である。
・クジラ目はさらに、口腔にくじらひげを持つ「ヒゲクジラ亜目」と、歯のある「ハクジラ亜目」に大別される。
・一般的に、ヒゲクジラおよびハクジラのうち大型種を「クジラ」と呼ぶ。
ハクジラのうち、比較的小型の種類を「イルカ」と呼ぶ。
つまり、イルカは小型ハクジラ類の総称である。
・大型と小型の判断は体長4m程度を境とするのが普通であるが、根拠はない。
[海と陸]
・水中の音は空気中とは比べ物にならないくらい鋭敏な特性を持つ。
空気中の音速は約340m/sなのに対して、水中の音速は約1500m/sと、約5倍の速さで伝わる。
また、水中では音の減衰も少ないため、かなり遠くまで音が届く。
水中は音の世界である。水中では「一見」よりも「百聞」の方が勝っている。
・海や河は透明度が悪く、当然、視覚による情報取得も制限される。
・海洋生物が視覚よりも聴覚を発達させるのは、環境から見ても当然である。
[可聴域]
・以下のように、他の動物と比較して、イルカやクジラの聴力は非常に優れている。
・ヒト:15-20kHz
・サル:33kHz
・ネコ:50kHz
・ハツカネズミ:90kHz
・クジラ:153kHz
・コウモリ:175kH
・イルカ:200kHz
・可聴域の範囲の音でも、聞き取りやすい高さの音がある。
ヒトの話し声は、0.06-1kHzである。
それに対して、イルカは30-80kHzの帯域の感度が良いとされている。
[音源定位]
・イルカの音源定位能力は優れており、水平方向は2.7度、垂直方向は2.3度まで識別できるとされている。
これがクリックのようなパルス音の場合だと、さらに1.0度程度まで精度が上がる。
・陸棲動物では、草食動物よりも肉食動物が優れている傾向がある。
イルカは他の動物よりも音源定位能力が優秀である。
・ちなみに、ヒトもなかなか秀でており、約1.3度である。
[エコーロケーション]
・クジラやイルカの発する音は、次の3つに大別される。
・クリック(click):0.001-0.01秒と非常に短い継続音。周波数帯は15-200kHzと幅広い。エコーロケーション用。
・ホイッスル(whistle):口笛に似た抑揚のある長い連続音。会話用。
・バーク(bark):吼えるような、呻くような、複雑な共鳴音。本能的なもの。脅しや求愛用。
・イルカのエコーロケーションはソナーと同じ役割をする能力である。
対象物までの距離、対象物の形、大きさ、材質の違い、構造の違いといった物理的特性や、運動速度や方向も認識することができる。
・イルカは状況に応じて発する音の性質や出し方を調整している。
遠くにあるものや雑音の多い環境での探索では音圧を上げたり、近いものの探索では発射音の頻度を調節する必要がある。
・実験では、70m離れた距離から直径2.5cmの金属球の有無を認識したり、100m先にある7.6cmの金属球を正しく認識できた。
また、8mの距離で0.0085mmの違いを認識したという驚異的な記録もある。
・クリック音の発生場所は鼻道にある気嚢(きのう)という説が主流である。
喉頭部とする説もある。
気嚢説とは、鼻道の途中にあるいくつかの空気の袋に空気を出し入れする際にクリックが発生するというものである。
・気嚢から発せられて後方に向かった音は、頭骨によってパラボラアンテナのように前方へ反射される。
前方に向かった音と反射音は、頭部前部にある「メロン」と呼ばれる脂肪組織に入る。
メロンは特異的な構造になっていて、ここに入った音は前方に集中するように脂肪の密度が変化している。
ちょうど、音のレンズとも言うべき組織である。
・反射音は、下顎の脂肪組織に入る。
この脂肪組織はメロンと同様、音の伝搬特性がきわめて優れている。
ここに入った音はそのまま鼓膜を振動させ、中耳、内耳へと伝わる。
[耳の構造]
・イルカの内耳の構造は基本的にヒトと類似しているため、音が感覚される仕組みも共通である。
ただ、ヒトと違って中耳と内耳がいずれも頭骨から分離独立しているため、自分の発した音が直接中耳や内耳へ達することはない。
これは大変好都合で、余計な振動が伝わらず、精度の良い音感が保たれる。
・外耳道は入り口から分厚い皮脂と肉で1/3は塞がっているが、完全に詰まってる訳ではない。
塞がっている部分の管の直径は、1-5mmと非常に狭い。
しかし、内耳に近づくにつれて太くなり、鼓膜の所で5cmほどの管となる。
・外耳道の終点の鼓膜の外側には、蠟栓(ろうせん)と呼ばれる円錐形の耳あかが付着している。
これは外耳道の表皮から分泌された物質が角質状に固まったもので、牛の角や人間の爪に似ている。
シロナガスクジラの耳あかは、幅が4cm、長さが10cmにもなる。
この耳あかが優れた音の伝導体になっている。
・外耳道の長さは、大型のクジラで1mある。
[視覚]
・ヒトは「視覚の動物」と言われる。
そもそも、光は電磁波であり、その中でも波長380-780nmの帯域を可視光として見て感じることができる。
言い換えると、私たちの視覚は光のわずかの波長の違いを色として感じているにすぎない。
・「可視光」はあくまでヒトが感じることができる範囲の波長帯域を指す。
ヒトは「紫外線」や「赤外線」を感じることはできないが、他の動物は感じることができるものもいる。
例えば、ヘビの仲間は紫外線を感知できるし、チョウは赤外線が見える。
・イルカに限らず、眼の基本的な構造は脊椎動物ではほぼ共通である。
ヒトの眼にある構造はイルカの眼にもある。
しかし、構成物それぞれの大きさ、数、厚さといった定量的な特徴に微妙な差異がある。
・角膜の密度は水とほとんど同じなので、水中では角膜は無いに等しい存在となる。
・ヒトの瞳孔は円形だが、クジラ類では三日月状をしているものが多い。
ヒトと同じく、瞳孔は周囲の明るさに応じて大きさを変えるが、イルカの瞳孔は前後2本の細い線に分離される。
・イルカの網膜上の視細胞は、錐体細胞と比較して桿体細胞が圧倒的に多い。
そのため、暗い所で見るのに適している反面、色覚が弱い可能性を示す。
・イルカの視細胞の分布は不思議である。
ヒトでは、眼底の1ヵ所に細胞が集中しているが、イルカは高密度の領域が2ヵ所ある。
高密度の領域は眼底を挟んで約60度前後離れた場所に位置している。
イルカたちは、前方と斜め後方の2方向が「同時に」よく見えている。
・行動実験から、イルカの視力は約0.1であると推定される。
・イルカの聴覚は素晴らしく、ヒトがはるかに及ばないことは事実である。
しかし、イルカの聴覚を崇拝するあまり、「イルカの視覚は劣っている」と思い込むのは大きな誤りである。
[視覚と聴覚]
・クリックの発射頻度は一定ではなく、全くクリックを出していない時間帯もある。
つまり、常にエコーロケーションをして周囲を探査している訳ではない。
音一辺倒という訳でなく、「見たり聞いたり」しているということである。
「見えること」と「聞こえること」には一定の関係がある。
・最良視野範囲と音源定位範囲には直線的な相関関係がある。
すなわち、一点集中的な視野を持つ動物はわずかな距離の音源まで識別できる傾向がある。
対して視野が広い動物は音源定位能力が悪い。
・イルカは他の動物と比較して傾向が顕著に異なり、最良視野範囲は広く、音源定位能力も高いという異常値を示す。
これは、水中における光環境と音環境の特性の差を反映している可能性がある。
・ヒトは一点集中型の視覚を持ち、音源定位能力も鋭い。
・眼で見たものとエコーロケーションで感じたものとは、果たして同じようにイメージされているのだろうか?
ハワイ大学のLMハーマン博士が視覚と聴覚の統合の実験をした結果、視覚と聴覚はきちんと統合されていると結論づけた。
[コミュニケーション]
・何百頭という群れを作って泳ぐイルカは、それぞれの個体を識別可能な固有の音波信号のパターンを持つ。
・しかし、音波信号によるコミュニケーション・システムは、高度に発達した段階にはないという説が有力である。
その根拠となっているのは「意思の欠落」である。
イルカは自分とその環境についての情報を発信するが、その中に意思は含まれない。
したがって、仲間同士の「対話」はない。
・また、意思の他に2次情報を発信する能力も欠けている。
「誰が」「どこで」「何を」という情報は発信できるが、「いつ」「どのようにして」「なぜ」という情報は発信できない。
仮に、これらが可能になると、「個体識別音」から「イルカ語」に格上げになる訳である。
[Tips]
・海の生物はみんなおしゃべりである。
一番のおしゃべりと思われるのが、シロイルカである。
イギリスではシロイルカを「海のカナリア」と呼び、ソ連ではうるさい人を「シロイルカのような人」と呼ぶ。
・ザトウクジラのオスは、繁殖期に「ソング」と呼ばれる音波信号を発する。
「ユニット」と呼ばれるそれぞれの音が繰り返されて「フレーズ」を構成する。
さらにそれらが「テーマ」としてまとめられ、規則性を持って繰り返されるため「ソング」と呼ばれる。
ソングは、オスがメスに向けて発する説と、ライバルのオスに向けて自分の優位を誇示する説がある。
・眼に論理はあまりない。百聞は一見にしかずである。見ればわかる。これは論理ではない。明証である。
ところが、耳は時間を追う。聴覚は論理的思考に近い。
・アリストテレスは、クジラとイルカの行動と体を本格的に研究した最初の人物である。
彼の研究記録には不正確な部分もあるが、こと解剖と生理に関する記述はほとんど正確である。
そのため、アリストテレスはクジラやイルカを自らの手で解体して調査した可能性が高い。
・クジラやイルカが声を出すことが分かったのは、第二次世界大戦中のことである。
当時、アメリカは長い海岸線を敵の潜水艦攻撃から守るために、水中測音装置を設置して警戒にあたった。
ところが、あらゆる箇所から不審音をキャッチしたとの報告があり、大型海洋生物の通信と推定した。
以降、アメリカ海軍はイルカに興味を抱き、イルカを「海の軍用犬」として使う可能性を研究し続けている。
[参考]
「日本人のクジラ学」, 梅崎義人, 1988.
「クジラ 海を泳ぐ頭脳」, 1994.
「イルカ・ウォッチング」, 中村康夫, 1995.
「イルカが知りたい」, 村山司, 2003.
「クジラ&イルカ 生態ビジュアル図鑑」, 水口博也, 2013.
頭に手紙が降ってきて目ざめた。
「エラく具体的な夢だったな」オレは光速でベッドを抜ける。
傘の持ち方は何パターンあるか知ってるか?
58パターンだよ。
「うわべの話はしたくないの」彼女はそしる。
まあ確かにそれは的を射ているかもしれない。
思っていたよりはるかに自由らしい。
あの人はどこに向かっているのか?
あれもこれも生きているから動いているだけだろ。
あるべき所に運ばれていくだろう。
「エラく具体的な夢だったな」オレは光速でベッドを抜ける。
傘の持ち方は何パターンあるか知ってるか?
58パターンだよ。
「うわべの話はしたくないの」彼女はそしる。
まあ確かにそれは的を射ているかもしれない。
思っていたよりはるかに自由らしい。
あの人はどこに向かっているのか?
あれもこれも生きているから動いているだけだろ。
あるべき所に運ばれていくだろう。
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